院長室

 

堂園晴彦(Dr.Haruhiko Dozono)プロフィール
堂園晴彦
堂園メディカルハウス 院長
社会福祉法人 塔ノ原福祉会 理事長
学校法人 吉井学園 理事長
NAGAYA TOWER 大家
堂園 晴彦
1952
2月29日 生まれる
1956
鹿児島大学附属幼稚園入園
1958
鹿児島大学附属小学校入学
1964
鹿児島大学附属中学校入学
1967
鹿児島県立鶴丸高校入学
1972
東京慈恵会医科大学入学
1978
医師免許取得、東京慈恵会医科大学産婦人科研修
1983
細胞診学会専門医取得
1983〜1986
国立がんセンターレジデントへ国内留学後、慈恵会医科大学産婦人科へ
1987
東京慈恵会医科大学講師、医学博士号取得
1988
鹿児島大学医学部産婦人科医局入局、講師
1991
堂園産婦人科継承(無床)、在宅ホスピス開始
1995
社会福祉法人塔ノ原福祉会、学校法人吉井学園 理事長就任
1996
堂園メディカルハウス設立(19床)、日本で最初に有床診療所でのホスピス医療を開始。以後、毎年100名前後の患者さんを入院・在宅で看取る。在宅看取り率約25%。以後、日本の緩和医療のトップランナーとして活躍してきた。
2001
NPO法人風に立つライオン設立
2011
NAGAYA TOWER 設立
2015
外来診察に特化した診療所に移行
関連著書
エッセイ・コラム

言葉綴り 12

「理屈を超えたところに感動がある」


今にも息をひきとりそうな患者さんがおりました。私は病院の玄関でご家族を待っており、状況を説明しながら病室に案内しました。
ご家族も最後と思い、声掛けをしました。
私は「最後の時が近いですから、感謝の気持ちを伝えてください」と声かけを促しました。
今にも止まりそうな息がやがて徐々に規則正しくなり、それから2日間の時間ののち、亡くなられました。



このような経験は多くのホスピス医が経験していると思います。これは、死の間際のみのことではないと思います。スポーツの感動も同じでしょう。

私たちは、経験や慣習や情報に支配され、自分の概念に囚われがちです。

「理屈を超えたところに感動がある」頷けると思いませんか。

言葉綴り 11

「悲しみは意識を向上させる」


私の友人の看護師さんのお父様が、胃がんになり手術をしました。
その看護師さんは、医療従事者と患者家族との間で、色々考えました。


がんに自分がなった時や家族がなった時、何気ない出来事がとてつもなく重大な出来事であることを認識します。
便が出る、尿が出る、食事が食べれる、花の匂いがかげる、お日様の下に出れる等々、これらはお金で買うことはできません。
身の回りにあるお金では買うことができないが、生きていく上で不可欠な物を探してみませんか。


妻が陽水の「united cover」を買ってきました。

陽水の「5月のラプソディ」が大好きです。この歌を聴くと涙が出ます。

言葉綴り 10

「聞いて三日、見て一生」


百聞は一見にしかずと同じ意味で、聞いて感動しても三日で忘れることが多いですが、見て感動したことは、一生覚えていることが多いです。


だからこそ、旅に出るのが必要です。
犬も歩かなければ、棒にも当たりません。

棚の下に行かなければ、ぼたもちにも遭遇しません。

師匠寺山の「書を捨てよ 町にでよう」です。

言葉綴り 9

「体の症状は魂の症状」


体の語源は「空魂、からだま」と言うことを知りました。
肉体は単なる空っぽで、人間の根源は魂という考えでしょう。
医師の感性から考えれば、体の症状は魂の症状と考えると、納得いきます。


患者さんを治療するとき、体の疲れは魂の疲れ、癌は魂が癌になっていると考え治療をする必要があるのでは。

そのとき、患者さん自身がそのことに気がつかなければ、治療としては不十分。

そして、体のサインがでたら、不平不満を言う前に、感謝してから、自分も原因を考えてから、医師に罹りましょう。

言葉綴り 8

「楽に死ぬとは」


楽に死にたい、誰もが願望することです。

堂園メディカルハウスに入院したからといって楽に死ねるわけではありません。


「楽」という字は「楽」しいと同じ字です。

毎日が楽しくなければ楽に死ねません。

普段から楽しい毎日を作る努力が必要です。

家族と仲が良い、友人がいる、趣味がある、会社が働きやすい、辛い事もあるけれど、楽しい仲間がいる。

楽に死んでいくためには、楽しい毎日を作るようにしましょう。

言葉綴り 7

「心質を変える」


慢性疲労症候群やパニック障害、不安症等心身症的な疾患で入院される方が多いです。

このような人には森田療法(なすがまま、なるがまま)をベースとした治療をしています。

それは、体質を変えるように「心の質」を変える治療です。

まず、何もさせません。すると、退屈になります。大切なことは、退屈をしっかり認識させ、そして、退屈の中から、遊び、趣味を見つけ出すようにします。

次に、今まで、忙しかったのだな、頑張りすぎたな、心身に疲れがたまっていたな、という感性を育てます。


私は冬眠療法と言っています。

昔の人は農閑期があったり、御伊勢参りがあったり、遊びの時間を持っていました。現代人はこの遊びのDNAが作動しておりませんので、ここを再起動させるのです。


さて、私ですが、5月4日お船でゆらゆら与論島に行きます。

目的は私の患者さんのお墓参りと今度葉祥明さんと一緒に出す絵本の原稿の推敲のためです。

昨年夏与論で原案を作りました。

是非、皆様楽しみにしていてください。

言葉綴り 6

ゆっくり出来る方法を知っている人間は、
頑張る方法を知っている。


現代人の多くは頑張る方法ばかりを追求しているが、

ゆっくりする方法を知らない人が多い。


心を日常生活から、遠くへもっていく方法を見つける努力を

言葉綴り 3

人間にとって報酬とはなんでしょう。


私は従業員に何時も言っています。
報酬はお金や労働条件だけではありません。
達成感や喜び、時には悲しみ、悩みも報酬です。
また、人間関係が心地良い職場環境も重要な報酬の要素です。
そして、自分の人生にとって報酬とは何かを何時も考えて、
生きていく必要があります。


私は今、49歳です。

多分、自分が自分の肉体を使って先頭に立って働けるのは、後10年でしょう。
これからの10年を身を削って、削って働きたいと思っています。
身を削って働けるのは、後僅か10年しかないと気がついたとき、
自分のこれから10年間の報酬は何かを考えた結果です。


皆さんも、自分の人生の報酬は何かを考えて生きましょう。
自分でしか、見つけることは出来ません。